「模試の偏差値」は合格には関係ない!?

その③

「模試の偏差値」は合格には関係ない!?

受験生なら誰しもが知っている「偏差値」。

志望校の難易度や自分の実力を知るための指標となる数値です。

しかし、その「偏差値」には志望校合格に直結しないという事実があるのです…

「模試の偏差値」が実際に示してくれるものとは

大学受験生のほとんどが「模試の成績」を気にしていると思います。

しかし、「模試の成績」はほとんど合格に関係ありません。

特に大きな2つの理由が

入試本番と出題形式が違う

入試本番と問題の難易度が違う

ということです。

まずは、1.の理由について解説していきます。

【第1の理由】「志望校の出題形式」と「模試の出題形式」が異なる

現在の大学入試問題の出題形式や難易度は、志望する学校によって変わるだけでなく
志望する「学部・学科」によっても変わります。

あなたの志望校の目標偏差値が「60」だと仮定します。
そして、大手予備校の模試で英語を受験して、偏差値が総合で「60」だとしましょう。

偏差値だけを見れば、目標を達成しているので「ほぼ確実に受かる」と誰もが思うことでしょう。

しかし、大手の模試には、本番の入試問題に出題されない問題が含まれているのです。

仮定した志望校の過去問題を細かく見ていくと、
「英文法」「並び替え英作文」「長文読解(空欄補充)」「英文和訳」「和文英訳」の5つが出題されないことがわかります。

しかも、その5つは得意な単元なので、偏差値が高くなっています。

では、「本当の偏差値(=試験本番で通用する実力)」を見てみましょう。

試験本番に出題される単元をピックアップすると・・・

この例では、模試の成績は良かったにもかかわらず、志望校で実際に出題される単元で点数を残せていないため、
「本当の偏差値(=試験本番で通用する実力)」はかなり低いものとなってしまっています。

これは決して極端な例ではなく、実際によく起こっていることなのです。

模試で出来なかった「英語の並び替え問題」はあなたの志望校には出題されないかもしれません。
ましてや、私立大学受験者で国語を使用する場合、模試で出題される「小説」を出題する大学はほとんどありません。

本番で一切使わない単元の成績を上げている暇などあなたには無いはずです。

こんな模試の成績に一喜一憂している人に合格などありえないということです。

志望校に出題される単元のみを切り取り、部分的に実力をはかるのであればいいでしょう。

しかし、それならば模試ではなく、問題集で十分事は足りるのではないでしょうか。

【第2の理由】「模試の難易度」と「入試本番の難易度」が異なる

「模試」というものは受験生の大多数が受けるものです。
そのため、模試の問題は受験生の平均に合わせた難易度で作られています。

これは大手予備校が実施する「マーク模試」の難易度を表しています。

マーク模試の難易度は「日東駒専・センター試験レベル」なのです。

当然、MARCHレベルや早稲田・慶應レベルの問題は一切載っていません。

グラフからも分かるように、もし東京大学や早稲田大学・慶應義塾大学等を受験する場合、
模試の難易度の問題が解けたとしてもそれは「当たり前のこと」なのです。

さて、そのような「簡単な問題」・「志望校のレベルと不釣り合いの問題」で
本当に志望校レベルの問題が解けるようになったのか、わかるのでしょうか?

自分の実力の確認としては全くもって使い物になりません。
模試の問題は解けていたのに、志望校の過去問を解いてみると歯が立たない…となってしまってはもったいないのです。

結果、この観点から見ても模試の成績に一喜一憂している受験生に合格などあり得ないということになります。

ということは、模試はあくまでも場慣れと割り切り、自分の合格のために勉強を進める人が合格するということなんです。

皆さんは模試の成績で志望校を決めていませんか?
それも全くもっておかしな話です。

模試の成績のみで判断する「予備校」や「学校」はもってのほかです。

行きたい大学のために「本当に必要な物」は何かを全て洗い出した上で、それを入試本番までにやりきることができるか。

志望校はここで判断してください。

ここが合格不合格の分かれ目です。

<論理的>に悔いのない大学受験勉強をしましょう。